都市ガスの乗り換えで下がるのは年数千円 — ただし逆転することがある
電気の切替と同じ感覚で都市ガスを比べると、たいてい拍子抜けします。 新規参入の都市ガスは、大手の一般料金から数%引いた水準にほぼ横並びだからです。 それでも見ておくべき点はあり、しかもそれは月額の一覧表には出てきません。
実際の差額はどれくらいか
東京ガス供給区域・2人世帯(月25m³想定)で、ワットクが公式公表単価から試算した年間ガス代です (2026年9月検針分の原料費調整+33.59円/m³を全月に適用・政府支援の値引きは含めていません)。
| 事業者・プラン | 年間 | 大手との差 |
|---|---|---|
| レモンガスわくわくプラン | 約59,531円 | −2,122円 |
| ニチガス都市ガス(東京ガス地域) | 約59,965円 | −1,688円 |
| CDエナジーダイレクトベーシックガス | 約60,045円 | −1,608円 |
| 東京電力エナジーパートナーとくとくガスプラン | 約60,105円 | −1,548円 |
| 東急でんき&ガス一般プラン | 約60,544円 | −1,109円 |
| 東京ガス一般料金(東京地区等) | 約61,653円 | — |
いちばん安いレモンガスでも、大手(東京ガス)との差は年間で約2,122円。月あたり約177円です。 電気の切替が年1万円規模で動くのに比べると小さく、ガス単体の乗り換えは「やって損はないが、劇的には変わらない」というのが実態です。
理由は料金の作り方にあります。新規参入の多くは、 大手の一般料金の基準単位料金から3〜5%引いた単価を設定し、 原料費調整は大手と同じ算定式・同じ単価を使っています。 つまり差がつくのは基準単位料金の数%だけで、 毎月の請求額の大きな部分を占める原料費調整には差がありません。
見落とすと逆転する: 原料費調整の「上限」
ここが本題です。大手の一般料金は経過措置の規制料金で、原料費調整に上限が設けられています。 東京ガスの一般料金なら基準平均原料価格57,250円/tに対して調整上限は156,200円/t (2026-08-03確認)で、原料価格がそれを超えて高騰しても、 その先は料金に転嫁されません。
一方、新規参入の自由料金には上限がないことがあります。 実際、当サイトが収録した事業者のうち複数は公式資料に「原料費調整額に上限を設けていない」と明記しています。 平常時は数%安く、高騰局面では規制料金より高くなりうる、という非対称な形です。
セット割は「電気側」に付いていることが多い
「電気とセットで割引」と案内されていても、 割引が適用されるのが電気の請求額であることが少なくありません。 当サイトが確認した範囲でも、東京ガス・東京電力エナジーパートナー・ニチガスのセット割は いずれも電気側の割引で、ガス単体の料金は下がりません。
そのためワットクのガス試算にはセット割を含めていません。 含めてしまうと、電気を切り替えない人にとって存在しない割引で 順位が動いてしまうためです。電気とガスをまとめて見直す場合の合計はガスの比較ページの下部にある合算試算で確認できます。
切り替える前に見る4点
- 原料費調整に上限があるか — 規制料金(大手の一般料金)にはあり、自由料金には無いことがある
- 割引がガス側か電気側か — 電気側なら、電気を切り替えない人には効きません
- 解約金の有無 — 都市ガスは定めのない事業者が多いですが、必ず確認してください
- ガス機器の保守がどうなるか — 大手が無償で行っていた点検・修理の扱いは事業者ごとに違います
結論
都市ガスの乗り換えで動くのは年間数千円です。電気を先に見直したほうが金額のインパクトははるかに大きいため、 固定費をまとめて減らしたいなら電気→ガスの順で見るのが合理的です。 そのうえでガスも切り替えるなら、価格差より 「原料費調整に上限があるか」を先に確認してください。
関連ページ
※ 金額は各社が公式に公表する基準単位料金をもとにした概算で、確認日時点のものです。 使用量の想定・原料費調整の適用月によって変わります。政府による値引き支援は含めていません。 最終的な料金は各社公式サイトでご確認ください。 当サイトはアフィリエイトプログラムにより事業者から報酬を受け取ることがあります。